私の勤める病院は2次救急指定・・・。

当番日になるとたくさんの救急車がやってくる。
救急車でこられた方のすべてが、入院対象となるわけではないけれど、予約入院以外に1日に4?5件入院が入ると、ちょっとした戦場のようになってしまいます。

外科病棟でもあるので、OP出し(手術)と入院の嵐です。
そんなばたばたな中でも・・・。
ターミナル(終末期)の患者様もおられます。

OP出しのストレッチャーや入院のベットが廊下に入り乱れる中・・・今にも命の炎が消えそうな患者様を前に、家族の方と身内の方が集まっている。

せめて静かな場所で・・・という思いもむなしい
1つの場所で・・・それぞれの思いが入り乱れてる・・・。

患者様の笑顔や・・・治療して治っていく姿を見るのは喜びであり、大きな力となるのだけれど・・・。
この同じ場所で、笑顔を見せたり・・・励ましの言葉をかけることが、苦しい場合もあったりする。

詰め所横の処置室で・・・看護師がばたばたする中で
認知症の患者様が大声で叫んでいる所で
余命の宣告がなされるように・・・。

すべての場面に表と裏・・・陰と陽・・・正と負と
生と死とが付きまとう・・・。

それに慣れてしまっている自分を・・・その感覚を怖いと思いながら・・・。



重症患者様は・・・ICUに入るのですが・・・。
手の施しようのない患者様・・・看取り目的で病棟に上がってきます。
今ここにおられる患者様はお盆休み中に起こった突然の出来事でした。
家族のいる前での出来事・・・。

レスピ(呼吸器)管理の・・・くも膜下出血の患者様。
自発呼吸はありません。
まだ若い・・・。

出血が多くて・・・脳が浮腫んで・・OP適応ではなく・・・脳死状態。
頭が痛いといって・・・すぐに意識を失った
救急搬送されてすぐのドクターからの宣告
手の施しようがない・・・。

この現場にいながらも体験したことがない現実

私たちでさえそうなのに・・・理解できるはずがない・・・。


以前のブログで・・・臓器移植の話を書いたことがありますが・・・。
今回一緒に夜勤に入った同僚が臓器移植の話を始めました。
家族の心を思う中で・・・同時に助けられる命のことも考えてしまう。
今現在の生と
誰かの体の中で生き続ける生と・・・。

こういう場面で出さなければいけない結論・・・その代償の上に救われる命があることの意味を・・・考えなければいけないとつくづく思いました。

簡単に答えは出せない・・・。
出せるはずもない・・・。

それでもそれが必要な方がたくさんおられるのだと

長い夜は・・・あっという間にあけてしまいました・・・。